カラフルで目を引く、ポップでおしゃれなポーチ。
プリントされているのは、チャレンジド(障がいのある)作家が描いたアートです。


フェリシモの「C.C.P(チャレンジド・クリエイティブ・プロジェクト)」では、チャレンジドアートを日常使いできるアイテムに仕立てるブランド「UNICOLART(ユニカラート)」を展開しています。
販売価格の一部は、ロイヤリティとして作家に支払われるだけでなく、「UNICOLART基金」としてチャレンジド作家の活動をさらに広げることにも活用されています。
「この活動は、一見『支援』に見えますが、実はチャレンジドとの距離感にも大きく関係しているんです」
そう語るのは、UNICOLARTの商品企画や基金による活動を共に進める「エイブルアート・カンパニー」の小林 大祐(こばやし だいすけ)さんです。

エイブルアート・カンパニー
障がいのある人がアートを仕事にできる環境をつくることを目的に2007年4月に設立し、複数のNPOが共同で運営。チャレンジド(障がいのある)作家の作品を、広告や商品のデザインに使用したい企業などと仲介し、作家の仕事につなげています。
障がいのある人たちのアートが、自己実現と社会参加の側面だけでなく、仕事(収入)につながることを社会に提案する事業を推進しています。
障がいのある方のアートを仕事につなげる「エイブルアート・カンパニー」
「エイブルアート・カンパニー」は、障がいとアートを軸に活動する3つのNPOが共同運営しています。
公募で選ばれた作家と契約を交わし、作品の著作権活用に関するエージェント業務を行っています。

登録作家数は約120人、ストックされている作品は13,000点以上(2026年9月現在)。
作品をオンライン上で公開し、広告や商品にアートを起用したい企業との窓口となることで、障がいのある作家の「仕事(収入)」や「自己実現」につなげています。

UNICOLARTの雑貨やファッションアイテムに使われているアートも、こうして登録された作家たちの作品です。

では、販売価格に含まれる「UNICOLART基金」は、具体的にどのような活動に役立てられているのでしょうか?
「筆を持てる人だけがアーティストではない」基金が支える多様な挑戦
基金の使い道の一例として、作家たちの画材購入や、新しい表現方法に挑戦する環境づくりがあります。

エイブルアート・カンパニー 小林 大祐さん
「画材といっても多種多様です。筆を持てる人だけがアーティストというわけではありません。肢体不自由の方にとって筆を持つことは難しいかもしれませんが、それは『表現できない』ということではないんです。その人ならではの表現方法が必ずあります」
例えば――
- 筆が持てなくても「引っ張る力」があるなら、輪ゴムを引っ張って紙に打ち付け、その線で描く「Line project」
- 指が動かなくても「息を吹きかけられる」なら、シャボン玉を使って色を乗せてみる
などなど。

現場では、一人ひとりの可能性を引き出すために、日々さまざまな表現方法が試みられています。
さらに基金は、作品展の開催費用や、その場でTシャツやバッグに作品をシルクスクリーン印刷する新しい見せ方の挑戦にも活用されています。
「基金を通じて『こんな表現や社会とのつながり方がある』と提示すること自体が、チャレンジドアートの応援であり、次の世代へ届く活動になると考えています」

プロダクト化によって「心の距離」が縮まっていく
アートの原画は基本的に世界に1枚きりですが、誰もが手に取れる「商品」になることで、多くの人がアートを通じて作家と出会うことができます。
そしてそれは、関わる人たちの「心の距離」にも変化をもたらすと小林さんは言います。

「障がいのある方のことを『支援対象』として見てしまいがちで、『その人が何に興味があって、何が好きか』まで思いを巡らせる機会は少ないかもしれません。ですが、アートを通すと、その人自身の感情や好みが生き生きと伝わってきて、初めて心でつながれる瞬間が生まれるんです」
UNICOLARTから生まれるプロダクト、そして基金から生まれる活動。
それらは人と人との距離を縮め、誰もが持つ可能性をどこまでも広げていきます。
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