2026.7.28

インドの“Her”たちのホンネトーク①ブッタガヤ・AMDAピースクリニック編

✔︎ PROJECT

Her smileプロジェクト

たくさんのやさしさを世界中の女性の未来へつなぐ

FELISSIMO / GO! PEACE!

女性のしあわせや笑顔は、子どもの未来や家族・ 社会を豊かにすることに繋がっているはず。

だから、世界中の女性をしあわせに、 笑顔があふれる社会にしたい ーーー そんな思いをカタチにした『Her smile基金プロジェクト』。

その一環として支援を続けているのが、インドの妊娠・出産をする女性や、その赤ちゃんのための施設「AMDAピースクリニック」。

そこではいったい何が起きていて、どんな会話がなされているのでしょう。そこに通う“Her”たちのホンネを聞いてきました。

街なかに女性の姿が少ない理由

ここは夢かうつつか幻か。

車窓に流れる、乳白色に染まる田園。

その牧歌的な風景をのほほんとした気持ちで眺めていると、

ブーーーーッ ブブーーーッ!

とある道にさしかかった途端、耳をつんざくクラクション!

自転車にバイクに車、オートリキシャがカオスに行き交うここはインドの北東部の町、ブッタガヤのメインストリート。

まさに街の名のとおり、ブッダ(お釈迦様)が瞑想の末に悟りを開いた、仏教最大の聖地。

世界中から仏教徒が集うということもあり、多種多用な人たちであふれています。

なのに、なぜか地元女性らしき人の姿が、そう多くないことに気づきます。

それもそのはず、インドのとくに農村部における女性の役割は、もっぱら家庭内での育児や家事。

用事もないのに屋外を歩く習慣がないのでした。

ここはプレママたちのサードプレイス

だけど。

その扉をあけるとなんと、眼前には大きなおなかをした女性と、子どもたちがぎっしり!

「AMDAピースクリニック」。

今日はここで、妊婦さんたちの定期検診が行われるようです。

クリニックとはいえ堅苦しさはてんでなく、どこか村の集会場のような趣。

奥の部屋では、別の妊婦さんたちがワイワイ車座になり、もっかお昼ごはんの仕込み中。

「え、妊婦さんに手伝わせるの?」と思うなかれ。

決して強制ではなく「私たちも何か手伝いたい!」という自発的なアイデアから始まった試み。

さらにこうした時間を通して、彼女たちへの食事指導を行う側面もあるのです。

「例えばそこらへんに生えているモリンガの木の実や葉っぱ、またあたためたミルクにレモンを絞って分離させたもの(カッテージチーズのようになる)などは血圧にいいので、すすめています」。

と、スタッフのみなさんが教えてくれました。

西洋医学の薬だけに頼らない、現地の暮らしに根ざしたアーユルヴェーダの知恵。

高いサプリを買わずとも、ここにある自然の恵みでからだを労わる方法を、楽しく学べる場でもあるのです。

「家でずっとひとりで過ごすより、ここに来てみんなといるほうが安心ですし、話をするのが一番の楽しみ。

だから週に1回じゃなくて、週に2回でも3回でも4回でも呼んでくれたら本当にうれしい!」

と笑顔で話してくれる妊婦さんも。

私たちであれば、さしずめお気に入りのカフェに集まって、おしゃべりするような感覚でしょうか。

ここに来てみんなの顔を見て話しているだけで、不思議と元気になる。そんなポジティブな空気であふれているのです。

インド女性たちの妊活事情

日本での当たり前が、必ずしもインドにもあてはまるわけじゃない。

それを実感したのが「子どもが欲しくて妊活するの?計画的に避妊は考えている?」と切り込んだ時の、なんとも大らかな(そしてちょっと切実な)やり取り。

「結婚したら、みんな子どもを産むのが自然だから『私も欲しいな』とは思う。

でも、旦那さんと事前に相談したり、人生の計画を立てたりすることはまったくありません!(笑)」

ただ近ごろの傾向は 「子どもは2〜3人まで」がスタンダード。

「たくさん産むと経済的にも大変だし、これ以上インドの人口が増えすぎないように、ちょっとは考えているのよ」とのこと。

パートナーとの家族計画の話し合いがないまま、自然に身を任せる大らかさを持ち合わせながら、急に国家規模の心配をし始める女性たちのアンバランスさが、チャーミングでリアルです。

一方、お姑さん(昔の世代)と若いお嫁さん(今の世代)の小競り合いは、万国共通のようです。

「私たちの時代は妊娠しても家事をして自然に働いて、家で何の問題もなく元気な赤ちゃんを産んだものよ。今の若い人たちはちょっと怠けてる(笑)。ちょっと吐いたからってずっと寝てばかりで大変ねぇ」とお姑さん。

さらに産婦人科医のリタさんも「私の経験から見ても、20〜30年前の女性は本当に我慢強かった。今の妊婦さんたちは痛みに弱くなっていて、お産が始まるとすぐに『痛い痛い!もう帝王切開して出してください!』ってなっちゃうの(笑)」

伝統と革新のバランス

昔ながらのしきたりや文化慣習をちゃんと守りつつ、新しい時代の風もちゃんと吹いているインド。

そのバランスが、なんとも絶妙。

たとえば、赤ちゃんの足の裏や目のまわりに塗られている黒いマークやライン。

「これは何ですか?」と尋ねると、現地のお姉さんたちがうれしそうに教えてくれました。

「これは、カジャル」油から手作りした伝統的なアイライナーのようなもの。

インドでは、生まれたばかりの赤ちゃんが近所の人たちの「羨望の目(邪視)」に晒されると、悪いものを拾って病気になってしまうという伝承があるため、あえて黒いマークをつけて「魔除け」をしているのだそう。

古い習慣がいまだ残る村。

そんな中でも「家での出産が一番」という伝統は覆される兆しも。

「村の年配の人たちは今でも『家で産むほうがいい』と言っていますが、妊娠している女性や若いご主人たちの間では、『家での出産はリスクがあって危険だ』という知識が増えてきています」そのため、若い世代の夫婦は「できるだけ病院で安全に産もう」と主体的に選ぶようになっているよう。

支援しながら励まされる関係

違うようで、やっぱり私たちは似ている。

ぽんと心を開いて向きあえば、私たちと心が続いているインドの女性たち。

我が子の健康を願い、時には不安に苛まれながらも、おしゃべりとおいしいごはんで笑って前を向く。

「支援」という言葉は、どこか一方通行に聞こえるかもしれないけれど、彼女たちのたくましくおおらかなようすを見ていると、むしろ私たちのほうが「今あるものに感謝して、機嫌よく生きよう!」と励まされるのでした。

GO! PEACE!なポイント✌🏻️

クリニックによるマタニティクラスや栄養指導などから、この地域では安全な出産への意識が若い人の中で徐々に高まってきています。
母子ともに健康に、少しでも安心できる出産環境を支えられますように。みんなでエールを送りませんか?

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