「富岳(ふがく)」って知っていますか?
聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。
なにせ、コロナ禍に颯爽とあらわれたスーパーなコンピュータなんです!
なんだかすごいコンピュータがあるっていうことは知っていたけれど、実際それってなにがすごいの?
今回のコラボレーションをきっかけに、みなさんに「富岳」が描く『未来の設計図』をより身近に感じていただければうれしいです。
コラボ商品から知る「富岳」のすごさ

「富岳」は普通のコンピュータとは比べ物にならないほどの膨大なデータを超高速で計算できる、世界最速の頭脳をもつスーパーコンピュータです。
その計算スピードは、なんと1秒間に44京2,010兆回 。
もし世界中の人が集まって計算しても、何百年もかかってしまうような計算を、「富岳」は一瞬で解いてしまう力を持っています。
1.「富岳」のCPUが虹色に輝くコンパクトミラー

超高速の計算スピードを可能にするのが、「富岳」の頭脳である「CPU」です。
家庭用パソコンには通常1個ですが、「富岳」にはなんと約16万個も搭載されています 。

そんな「富岳」の頭脳であるCPUをデザインに落とし込んだのが、こちらのコンパクトミラーピルケースです。
理研の職員さんから「虹色に輝いてかわいい」と教えていただき、その魅力を生かして作られました。
2.「富岳」のケーブルがそうめんになった?!

「富岳」は、このCPU 384個 が1つのラックに収納されており、そのラック432台分で形成されています。
ラックの中では、CPU同士が大量のケーブルでつなげられています。

そのラックの中身を表現した商品が、なんとそうめんです!
「美しく束ねられた『富岳』のケーブルは、まるで麺(めん)みたい」という理研の職員さんたちのお話に着想を得て完成した、青色のそうめんです。このケーブルは「富岳」の頭脳をつなぎ、地球や社会の問題を解決するための情報と情報をつないでいます。
富岳デザインの箱がこれまたかわいいです。この商品を見ると、もう「富岳」のケーブルがそうめんにしか見えなくなってしまいます。(笑)
「富岳」だからできた、いま

「富岳」という名前が日本で広く知られるようになったのは、コロナ禍でメディアに多く取り上げられていたことが要因の一つです。
飛沫のシミュレーション映像を見た人も多いのではないでしょうか?そのシミュレーションは「富岳」によって行われていました。
ほかにも線状降水帯の発生予測や、薬の開発、トイレの水流量を少なくするシミュレーションなど、その研究成果は多岐にわたります。
実は身近な生活の節々に「富岳」の技術は役立てられています。
私たちの暮らしをよりよく、より安全にするため、様々な分野で富岳は活躍しています。

1,ライフサイエンス
人の体にかかわること。心臓の動きのシミュレーションや創薬など、人の命を守る研究。
2,防災・減災
線状降水帯の発生予測 や、気象・気候、地震被害予測など、災害から身を守る研究。
災害が起こったとき、どういうルートでどこに避難するか、調べたことはありますか?
その最適なルートも富 岳が編み出しています。
3,エネルギー
エネルギーを効率よく作ったり貯蔵したりするための研究。全固体電池 など、持続可能な社会への貢献。
4,ものづくり
自動車や船における、空気抵抗を最小限にする形状創出など 。
「富岳」がなければ複雑な薬の開発に何年もの時間とお金が必要になりますし、正確で短い時間間隔での気候予測もできません。
「富岳」があることでかけずに済んだお金と時間を、もっとほかの開発に注ぐことができるようになり、スピーディな創薬などにより多くの人命を救うことにもつながっています。
「富岳」からはじまる未来

「富岳」の進化は止まりません。
現在、組み合わせの計算に強い量子コンピュータと「富岳」を組み合わせた研究が進められています 。
これにより、分子などのふるまいをより詳しくシミュレーションできるようになり、ナノサイエンスの分野やAI分野での活用が期待されています。
より複雑な薬の開発に役立つことや、より持続可能な素材の創出にもつながるかもしれません。

ほかにも「富岳NEXT」として、「富岳」の次のスーパーコンピュータの開発計画が始まっています。
「富岳NEXT」では、現状の計算装置であるCPUに加え、加速部としてGPUといわれる映像の処理に使われる装置が搭載されます。
それによるAIの高速化やアプリケーションの開発を加えての性能が「富岳」の100倍以上速くなると見込まれています。
「富岳」が生み出す「知の共創」の仕組み
「富岳」を使用するのは、理化学研究所だけではありません。
同時に数十から百以上の研究課題が同時進行している「富岳」は 、知恵を広く社会から集める「共創」の仕組みによって運営されています。
例えば「富岳」を研究に使いたい人を1年に2回公募しており、アカデミック(大学など)を含む一般課題に40% 、産業分野に15% という比率で計算資源を割り振り研究開発が行われています。
公募で選ばれた研究は、成果を広く一般に公開すれば無償で「富岳」を使うことができます。
「富岳」は「みんなの未来」のための答えを探し続ける、開かれた存在なのです。
ちなみに、「富岳」は理研と富士通との共同開発であり、お金さえあれば富士通から同じ性能のスーパーコンピュータ(商用機)を買うことができるんです。
「富岳」はあくまでも研究用として使われていて、例えば気象庁のようにリアルタイムでの予報が常に必要な場合、富士通から「富岳」の商用機スーパーコンピュータを購入して線状降水帯の気象予測が行われています。
「富岳」がかなえたい社会とは

「富岳」というスーパーコンピュータの存在は、これまで複雑すぎてあきらめられていた社会課題や研究課題に人間が挑むための道筋を示してくれました。
「富岳」があることで、未来を予測するスピードや正確性が上がり、人命やコスト、時間を節約し、その資源をうれしい未来を作るための別の開発に注げるようになります。
最先端の技術が、実は一番「人」に寄り添い、地球の課題を解決する力を持っています。
この「富岳」が、私たちの未来への希望をより大きくしてくれることでしょう!
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