おうちで眠る洋服たちを、次の誰かのしあわせにつなぐ「ハッピーバトンプロジェクト」。
購入した回収袋に不要になった衣類を入れて送ると、集まった衣類はカンボジアを中心に世界で再利用されるだけでなく、発展途上国の子どもたちのためのワクチンになったり、国内外の障がいのある方の雇用創出にもつながるものです。
過去のハッピーバトンプロジェクトの記事はこちら

そのほか、回収袋の購入代金の一部は基金として活用されています。
今回、そうした支援先の一つをご紹介します。
インドの女性たちの妊娠や産後のサポートなどを行っている「AMDAピースクリニック」です。
インドの女性たちの過酷な生活環境を伺うことができました。

AMDAピースクリニック
貧困に苦しむ母子を対象としたインド・ビハール州・ブッダガヤにあるクリニック。
妊娠や産後のサポートなどを行っている。
世界中で緊急医療支援を行う、特定非営利活動法人アムダが設立。
貧しい中でも安心して命を育める支援を

インドの女性は、10代の未熟な体で子どもを産む方も多くいます。
ビハール州では、栄養状態が充分ではなかったり、医療体制が整っていなかったりして、母子ともに危険な状態で出産することも多いのだそうです。
そういった状況を改善しようとインドのブッダガヤにできたのが 「AMDAピースクリニック」(以下APC)です。
どういった支援を行っているのか、
クリニックを設立した特定非営利活動法人アムダのスタッフ、あるちゃなさんにお話を伺いました。

ジョシ あるちゃな さん
特定非営利活動法人アムダ(AMDA)GPSP推進戦略局ネパール担当部長。看護学博士。
2015年にネパールで発生した地震をきっかけにAMDAの職員になる。
平時はネパールおよびインドの事業を担当し、国内外で災害が発生した際は、災害支援活動にも携わる。
APCでは、2014年から月に2回定期的な妊産婦健診のほか 毎週、妊産婦さんへのマタニティクラスを無料で開催しています。

健診では体重や血圧の測定、産婦人科医による診察、処方箋に基づいた薬の配布などが行われています。

マタニティクラスでは栄養指導と健康教育プログラムを実施し、軽食や果物の配布などが行われています。
また、自宅を訪問し、妊産婦の健康状態の確認や、健診の重要性について家族へ説明をするなどしています。


この地域では、多くの家庭が経済的に厳しい状況にあり、
妊娠中に異常があっても設備の整った医療機関で適切な処置を受けることが難しいのが現状です。
APCの活動が行われる以前は、妊娠したら医療機関で診察を受けなければならないという意識がありませんでした。
そのため、十分な栄養が摂取できていない状態で、自宅で出産していました。
こうした背景から、妊婦さんの栄養失調や死産はとても多かったのです。
それが、AMDAの活動によって、妊産婦の健診や妊娠中の栄養などに対する意識が改善されたとのことです。
ことし3月から8月末までに新たにAPCに通うようになった妊婦さんは58人で、そのうちすでに24人が無事に出産を終えています。

APCでは、現在10代~40代の妊婦40人ほどが通院しています。
この日は現地のクリニックとテレビ電話をつなぎ、訪れていた19歳から25歳の妊婦さんに話を伺うことができました。
ー妊産婦健診を受けてどんな感想を持っていますか?
今までわからなかった妊娠中に必要なことを教えてくださったり無料で薬をもらったり、費用一部負担で超音波健診を受けられたりしてとてもありがたいです。
妊娠期間中に、いろいろな経験ができてとてもよいです。
(クリニックに通う19歳の妊婦)

家族の理解不足や伝統的な慣習により、
妊婦が定期健診を受けることの必要性を理解してもらうことを広めるのはなかなか難しいのが現状です。
でも、AMDAの活動によって徐々にではあるものの、家族の意識が変化していると実感しています。
今後も現地に根ざした持続可能な医療を提供していきたいと思っています。
不用品が国を越えてだれかの助けに
ハッピーバトンプロジェクトで使用される回収袋の購入代金の一部は基金となり、そのうちの「Her smile基金」は、APCの活動資金として活用されています。

ハッピーバトンプロジェクトは、
不要になった衣類の量に合わせて回収袋のサイズを選んで購入し、
届いた袋に洋服、バッグ、靴といった衣料品などを詰めて衣類選別センターへ送ります。

回収袋1点につき、スタンダードサイズなら5人分のポリオワクチンがラオス国の子どもたちにラオス政府保健省を通じて贈られます。

また、販売価格の一部は基金として、
世界の女性たちの自立等の支援活動や犬猫保護活動、そしてひとり親家庭の支援など各支援先に拠出されます。
みんなでしあわせのバトンをつなごう
回収袋は必要に応じて3サイズ用意しています。
一人暮らしの方やまずはお試しという方は小さいサイズを。
家族の衣替えのタイミングに大きなサイズをと、サイズの違いでさまざまなシーンで活躍しそうです。

身の回りにある不用品が形を変えて誰かのしあわせにつながっていきます。
新しい笑顔を生み出す活動に参加してみませんか?
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