世界的に深刻な問題となっている海洋ごみ。
年々増え続けています。
何の対策もしなければ、2050年、海には魚よりプラスチックごみの量が多くなるとさえ言われているのです。
そんな中、ユニークな方法で海のクリーン活動に取り組んでいるのが、NPO法人海さくらです。
代表で発起人の古澤純一郎さんに今までにない、型にはまらないビーチクリーン活動について伺いました。

NPO法人海さくら
2005年12月に設立。
神奈川県江の島の海を、かつて生息していた「タツノオトシゴ」が戻ってくるようなキレイな海にするため、「目指せ!日本一楽しいゴミ拾い!」を合言葉に、ユニークなビーチクリーン活動などに取り組む。

古澤 純一郎 さん
古沢工業株式会社代表取締役/NPO法人海さくら理事長。
船具屋の長男として生まれる。
慶應義塾大学法学部政治学科卒業後、大手デパートに入社し3年間勤務した後、広告代理店にて5年間マーケティング営業の業務に従事。退社後、古沢工業株式会社に入社し取締役に就任。沖縄旅行や海あそび等が趣味。
ゴミ拾いで、いかの塩辛をプレゼント!?

ー古澤さんは「NPO法人海さくら」として、日々、ビーチクリーン活動を行われていますが、そもそもどうして活動を始められたのですか?
船具屋の息子として生まれ、小さい頃から川や海に接してきました。
その中で、身近にあった川や海が汚れているのを目の当たりにし、「何かをやらなければ」と気持ちをはやらせていました。
当時は企業勤めをしていた私は、休日を使って一人でゴミ拾いをすることからスタート。
でも、その日きれいにしたはずの浜が、翌週になると大量のゴミで埋め尽くされてしまうという現実を目の当たりにしてきました。

「一人では到底無理であること」「継続的に取り組まなければならないこと」を思い知らされ、団体を作って本格的に取り組むことを決意しました。
大好きな江の島の海に照準を定め、
「かつて生息していたタツノオトシゴが戻ってくるくらいキレイにする」という目標をかかげて「海さくら」を起ち上げました。
ー古澤さんの企画するゴミ拾いは、一風変わったものと聞いています。
どんな活動なのか伺えますか?
例えば、「タバコフィルター選手権」というものがあります。
5分間でいちばん多く拾うと いかの塩辛がもらえるというものです。

また「面白いゴミ選手権」も開催しましたね。

自分の拾ったごみをおもしろおかしく紹介するんです。
そして、一番面白かった人にはいかの塩辛をあげる。

ーいかの塩辛ですか(笑)お好きなんですか?
そうなんです(笑)
本当においしいんですよ、いかの塩辛って。
だからプレゼントにしちゃいました。
あとは、お相撲さんを呼んだり

重ねるとアートになるオリジナルゴミ袋を使用して、ゴミを拾うのをたのしくしてみたりしました。

木魚のリズムに合わせてゴミを拾うというのもやったことがあるんですが、
これは不評でした(笑)
ーなぜそんな一風変わったゴミ拾いを行っているんですか?
最初はひたすらまじめにやっていたんです。
ゴミが与える悪影響について説明したり、ただひたすらに拾うばかりいました。
そうしたら、どんどん参加者が減ってしまったんです。
そこで、「自分も行きたい」と思えるようなイベントにすることで、もっと多くの人が気軽に参加できるたのしい活動にしようと思いました。
江戸で徳川家康が捨てたペットボトルが、令和の今、分解される…?
ー海洋ごみってどれほど深刻なものなのでしょうか。
実はごみってなかなか分解されないんですよ。
ペットボトルは一度捨てられてしまうと、完全に分解されるまでに、なんと400年もかかると言われています。
ーえっ?400年?!

400年前って江戸時代ですよ。
例えば、徳川家康がペットボトルを捨てたとしたら、今やっとこの時代に分解されるということです。
釣り糸なんて、600年もかかっちゃう。
今から600年前って室町時代ですからね。
ー知らなかったです。気軽に捨てられたゴミがどれだけ悪影響を及ぼすのかということが伝わりますね。
前向きな気持ちが前向きな循環を生む
毎日清掃活動していてもどんどん増えていくゴミに怒りがわいてきたこともありました。
でも、負の感情から良い循環は生まれませんでした。
「自分たちの海を自分たちで守っていきたい!」という前向きな気持ちで楽しく活動することで、前向きな循環が生まれていって参加者も増えていきました。

便利な社会では大切なものを見失いがちですが、
実際目にする、手を動かすという経験から感じられるものもありますよね。

おもしろいとまじめのバランスには悩むこともあります。
おもしろくしすぎても本来伝えたかった環境保護の大切さが伝わらなかったり、
逆にまじめすぎても参加してもらえなかったり。
悩みながらも、少しでも多くの人に参加してもらえるように活動を続けています。
「海基金」みんなの力できれいな海を守ろう

フェリシモでは、海や海洋生物の保全活動を支援するための「海基金」がついた商品を販売しています。

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海基金は、今回ご紹介した海さくらのような団体に寄付され、
ビーチクリーン活動やサンゴ礁の再生を目指したサンゴの植え付け、
海洋環境学習などに活用されています。

お買い物にワクワクしながら、海の未来を守る活動に参加してみませんか。

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