すべての生きものがすこやかに過ごせ、動物と人とがしあわせな未来を目指して、“フェリシモ いきもの未来基金”を募っています。基金の拠出先は生きものの保護活動に幅広く取り組まれている、日本動物園水族館協会(以下JAZAという)の“野生動物保護基金”。ふだんどんな活動をされているのか、日本動物園水族館協会事務局長の永井清(ながい きよし)さんと清水悦子(しみず えつこ)さんにお話をお伺いしました。
JAZAは動物園と水族館の園長や館長が会員となり、常日頃から動物に関する情報を共有したり、連携協力しあいながら、次の4つを目的に活動しています。
①種の保存
②環境教育
③調査研究
④レクリエーション
動物たちを最善な環境へ
令和6年能登半島地震で石川県ののとじま水族館が被災して、動物たちが暮らしを維持できなくなる事態が発生しました。
JAZAの安全対策委員会 災害対策部では、全国の園館長によびかけて「ペンギンはうちが預かるよ」「イルカはうちが預かるよ」という形で、動物たちは分散して緊急避難をすることができました。
東日本大震災の時も一時的にアクアマリンふくしまのカワウソを上野動物園で受け入れるなど、動物たちを安全に飼育するために連携する組織でもあります。
また、絶滅危惧種のツシマヤマネコでは、繁殖をさせようとした時にひとつの動物園で取り組むのではなく、この動物園では自然繁殖を目指すための研究をしましょう、ある動物園では人工で繁殖させるための研究をしましょうという形で、いろんな部門で分散して動物を危機から守ろうという動きの取りまとめを行っています。
昔の動物園は“人がどう効率よく見ることができるか”という展示を考えてましたが、今は“動物がどう自然に近い形で過ごせるか”という視点に変わってきていて、動物の福祉を考えた動物園作りに変化してきています。
そうした場合に、実際に今の動物園のどういうところが欠けてるか把握するため、動物園の現地調査をして「ここはこうした方がいいんじゃないか」とか「ここはちょっとよくないんじゃないか」という点検をし改善していく活動もしています。
野生動物保護基金について
ーー取り組みのひとつである、野生動物保護基金について教えてください
加盟園館や関係する団体の野生動物の保護活動を支援しています。
年に一度事業を募集・審査し、助成しています。
例えば、ペンギンはつがいで卵を育てるのですが、実の父親とは違う雄と卵を育てたりするので、正式な血統関係がむずかしくなります。
そこで、きちんとDNAを調べて血統登録を行うという活動があります。
また、絶滅危惧種のアカモズを豊橋の動物園で雛から育成する活動は、去年に引き続き2年目の事業です。
日本全国、いろんなところでいろいろな研究をしていて、たのしい・かわいいだけではない動物園の大切な部分をもっと伝えていきたいと思っています。
この基金は動物園や水族館にこられる一般の来場者の方からもいただいていまして、みなさまのお金が野生動物で絶滅の危機に瀕した動物たちの保全活動の一部になるという流れです。
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